メニュー

雨漏りが起こりやすい家とは?見落としがちな原因と正しい対策 | 大阪府堺市で住まいのリフォーム・耐震リフォーム|株式会社SAMです。

〒587-0062 大阪府堺市美原区太井342-1

営業時間/ 8:00〜17:00 [ 日曜定休 ]

リフォーム工事には検査がありません。だからこそ、ていねいに相談できる会社を選んでください。

雨漏りが起こりやすい家とは?見落としがちな原因と正しい対策

雨漏りにより傷んだ天井
天井の雨漏り

1.雨漏りはどの家にも起こりうる

今回は「雨漏りが起こりやすいお住まいと対策」についてお話しします。

たとえばこのような経験はありませんか?
「天井にシミのような跡が出てきた」
「大雨のあと、壁紙がふくらんでいる気がする…」

雨漏りは、古いお住まいだけに起こるものではありません。どのお住まいでも、条件がそろえば起こりうる現象です。

特に近年は、ゲリラ豪雨や集中豪雨のように短時間で大量の雨が降ることが増え、以前よりもリスクは高まっています。

さらに、単純なメンテナンス不足や、設計・施工上の不具合、もともとの建物の構造や立地条件によっても、雨漏りの可能性は左右されます。

小さな異変を見過ごしてしまうと、後々大きな被害につながることも少なくありません。

この記事では、雨漏りが起こりやすい家の特徴や、見落としがちな原因、そして具体的な対策について、私の経験を交えてわかりやすくご紹介します。

2. 雨漏りが引き起こす深刻な被害

雨漏りというと、多くの方が「天井にシミができる」「壁に水滴がにじむ」といった目に見える症状を想像されるでしょう。

確かにこれらはわかりやすいサインですが、実はこの段階で気づけるのはまだ幸運な方です。

もっと厄介なのは、壁や天井の内部で雨水が侵入し、長い間気づかれずに進行してしまうケースです。

建物の骨組みである柱や梁、土台が常に湿気にさらされると、木材が腐朽してしまいます。

そして、湿気を含んだ木材はシロアリの格好のエサになります。

シロアリは気づかないうちに広範囲へと被害を広げ、気が付いたときには雨漏りをした箇所よりはるかに広範囲で、骨組みである、柱、土台、梁を侵食していることも珍しくありません。

骨組みの腐朽が進むと、建物の強度が落ちます。

強度が落ちれば、地震や台風といった外的な力に対して住宅がもろくなり、安全性にも大きな影響を及ぼします。

ひどい場合は建物が傾きます。

つまり、雨漏りは単なる見た目の問題にとどまらず、住まいの寿命を縮め、ご家族の暮らしに直結するリスクを抱えているのです。

雨漏りにより劣化した外壁の内部
雨漏りにより劣化した外壁の内部

3. 雨漏りが起こりやすい住まいの特徴

雨漏りが心配なお住まいには、いくつか共通する特徴があります。

まず、どこから雨が入り、雨漏りが起こるでしょうか?

それは外部に面した箇所です。

お住まいの外部周りのメンテナンスを定期的に適切な方法で行うことで、雨漏りはほぼ防げると思えます。

実際に、雨漏りの原因で圧倒的に多いのは「メンテナンス不足」です。

屋根瓦や外壁の塗膜、ベランダ防水、継ぎ目のシーリングなどは年月とともに必ず劣化します。

築年数が長いほど、お住まいを守る防衛線の防水層の劣化が進んでいるケースが目立ちます。

メンテナンス不足は、雨に対して脆弱になります。

定期的に点検・補修を行っていないお住まいほど、雨漏りのリスクは高くなるといえるでしょう。

次に押さえておきたいのは「設計や施工上の不具合」です。

本来、屋根や外壁は雨水を室内に入れないための構造になっていますが、施工時のちょっとした不備や材料の選択や、設置方法ひとつで、水が侵入しやすい弱点をつくってしまうことがあります。

また、デザイン性に富んだお住まいによくあるのですが、デザインを重視するあまり、雨水の親友対策がおろそかになっている設計もあります。

新築当初は一応防水対策を行っているのですが、保証が切れる10年が過ぎたころに防水対策が脆弱な構造部分から雨漏れが起こることがあります。

設計時も施工時も構造的に雨漏りが起こりやすい箇所の細心の注意を払い、2重の防水対策が必要です。

代表的なのは以下の部分です。この部分の防水対策は1重では雨漏りが非常に起こりやすくなります。

  • 屋根瓦の棟や谷の部分、形状が変わる部分の継ぎ目
  • ベランダの排水口周りや手すり部分と手すりに接する部分
  • サッシの周囲、特に屋根についた天窓
  • 外壁のひび割れやシーリングの切れた目地
  • 庇(ひさし)
  • 換気口や電線の引き込み口

これらは、日常生活ではなかなか目が届きにくい場所です。

「うちはまだ大丈夫」と思っていても、知らないうちに雨漏りが進行している可能性があります。

したがって、雨漏りのリスクの高い箇所を知っておくことが予防の第一歩になり、普段から気にしておくことが大切です。

ベランダ防水施工後
ベランダ防水施工後

4. よくある誤解と外壁塗装の限界

雨漏りの対策というと、「屋根、外壁塗装をすれば安心」と考えている方が多いのではないでしょうか。

確かに塗装は大切なメンテナンスであり、見た目を整えるだけでなく外壁材を守る役割も果たします。

ところが、外壁塗装=雨漏り防止と考えるのは危険です。

なぜなら、雨漏りの原因は屋根や外壁の表面だけでなく、前述の通り、ベランダやサッシの周り、換気口、電線の引き込み口など、細部の施工状態にも関わっているからです。

塗料作業を適切に行うだけでは解決できない部分が数多くあります。

さらに、外壁塗装を専門とする業者さんは「塗装のプロ」ではありますが、雨漏りに関しては必ずしもスペシャリストとは限りません。

実際、外壁塗装を定期的に行っている方からの、雨漏りの相談を受けるケースも少なくありません。

その理由は、塗装自体に問題があったのではなく、点検の視点が雨仕舞い(雨水を排除する構造)まで及んでいなかったからです。

つまり、外壁塗装は大切なメンテナンスの一部ではあっても、それだけで雨漏りを防げるとは言い切れないのです。

ここを誤解してしまうと、「塗装したのに雨漏りが直らない」という残念な結果につながってしまいます。

外壁塗装の様子
外壁塗装の様子

5. 雨漏りを防ぐための正しいメンテナンス

雨漏りを防ぐには防水対策視点での点検が重要です。

表面を塗り替えるだけでなく、弱点になりやすい部分を塗装作業前に点検してもらうこと、作業を行うタイミングでなくても、気になったら点検してもらうことで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。

まず、外壁やベランダの防水は築10年を目安に点検を行い、必要に応じてメンテナンスするのがいいでしょう。

ベランダは水平面が多く、雨水が壁よりも長い時間接触する箇所です。

外壁よりも雨漏りのリスクが高い場所です。排水口や手すり周りは特に注意が必要です。

屋根に関しては、瓦の劣化等で割れていることもあるのでまずは、表面上の点検を行いたいしょします。その他のメンテナンスは、材質により方法が異なります。

粘土瓦であれば「しっくい」と呼ばれる白いセメント部分を10年ごとに補修することが推奨されます。

しっくいが劣化すると雨水が裏側へ回り込み、瓦のずれや隙間を大きくして雨漏りのリスクが高まります。

割れた屋根瓦
割れた屋根瓦

一方、スレート瓦(カラーベストなど)は塗装が必須ですが、屋根塗装時に塗料が瓦の隙間をふさいでしまうと排水不良を招き、雨漏りの原因になることがあります。

この点は施工時に十分注意が必要です。

丁寧な業者は見積に”屋根瓦塗料縁切り作業”や、スペーサ設置作業などが見積に計上されております。

また、屋根についている窓、いわゆる天窓があるお住まいでは、直射日光をもろに受けるので、サッシ周りやガラス部分のシーリングが壁についている窓よりも紫外線によって劣化しやすいため、点検とメンテナンスが欠かせません。

外壁についても、ただ塗料を重ねるだけでは十分とは言えません。

セメント系の外壁の場合はひび割れや浮きのある部分は塗装前に補修、補強を行い外壁の脱落防止を行い。
サイディング外壁なら目地のコーキングの定期的に打ち替えは言うまでもありませんが、大切なメンテナンス項目です。

サッシの周りや換気口、電線の取り込み口など細部の防水処理も見落とせないポイントです。

こうした細かい点を含めて定期的にメンテナンスを行うことで、雨漏りのリスクは大幅に減らすことができます。

表面上の見栄えだけでなく、住まいの耐久性を守る視点を持つことが大切です。

6. 実際の現場でよくあるトラブル箇所

雨漏りの修繕に立ち会うと、「こんなところから水が入るのか」と驚かれる方が少なくありません。

実際の現場では、想定外の箇所が原因になっているケースが多々あります。

まず多いのがベランダの雨漏れその中でも特に排水口まわりです。防水層と板金、防水層と排水管など防水層の継ぎ目にあたる部分です。

ベランダ防水工事施工後(排水口まわり)
ベランダ防水工事施工後(排水口まわり)

そして、ベランダの床に受けた雨水が大量に集まる場所でもあります。

経年劣化により継ぎ目部分からの漏水がよくあります。

そのほか、手すりの取り付け部や装飾の開口部も防水層の継ぎ目になり、経年劣化や施工時のちょっとした不良、2重に防水をしていない施工が雨漏りにつながることがあります。

次に、外壁のひび割れやコーキングの劣化

一見小さなひびでも内部にまで達していると、雨水がじわじわと浸透し、気がついた頃には下地や断熱材まで被害が及んでいることがあります。

外壁のひび割れの様子
外壁のひび割れの様子

また、新築から間もないお宅でも、施工ミスによる雨漏りが発生する場合があります。

特にベランダと外壁の取り合い部、天窓周り、サッシの下端などは、施工精度の差がそのままリスクになります。

雨仕舞いの処理が不十分だと、どれだけ外壁を塗装しても根本的な解決には至りません。

こうした事例からわかるのは、雨漏りは「屋根や外壁の広い面」よりも、「細部のつなぎ目」や「複雑な取り合い部」で起こりやすいということです。

見落とされやすい部分だからこそ、定期的な点検と確かな施工が欠かせないのです。

7. 雨漏り対策を任せるなら誰に相談すべきか

雨漏りが心配になったとき、「どこに相談すればよいのか」と迷う方は多いと思います。

外壁塗装業者、屋根業者、工務店や建築会社など、候補はいくつかありますが、それぞれ得意分野が違います。

外壁塗装業者は、塗料や塗装技術に関しては豊富な経験と知識を持っています。

ただし、先にも触れたように雨漏りの原因は塗装だけでは解決できないことが多く、必ずしも専門的に対応できるとは限りません。

一方、屋根業者は「雨対策」に関して強い知識と経験を持っています。

屋根や瓦の構造を理解し、水の流れを読むことに長けているため、雨漏りに対しては非常にシビアな目で対応します。

しかし、建物全体を見渡した診断となると、屋根以外の部分には手が回らないこともあります。

その点、工務店や建築会社、設計士といった立場の人間は、家全体を総合的に捉えられるのが強みです。

外壁、屋根、ベランダ、サッシまわりなど、建物全体をひとつのシステムとして見て判断できるため、根本的な解決につながりやすいのです。

もちろん、信頼できる塗装業者や屋根業者の中にも雨漏りに精通した人はいます。

大切なのは、依頼先が「表面的な工事」だけでなく「雨漏りの原因を突き止め、再発を防ぐ視点」を持っているかどうかを見極めることです。

8. 雨漏りから住まいを守るために今できること

雨漏りは、どのお住まいにも起こりうる身近な問題です。

見える場所にシミが出ていればまだ分かりやすいのですが、壁や天井の内部で進行する雨漏りは気づきにくく、柱や梁を弱らせたりシロアリ被害を呼び込んだりと、住まいの寿命に大きく影響します。

外壁塗装や屋根の補修、防水工事は大切なメンテナンスですが、それだけで雨漏りが完全に防げるわけではありません。

雨水が侵入しやすいのは細部のつなぎ目や複雑な取り合い部であり、そこを丁寧に点検しなければ本当の安心にはつながらないのです。

だからこそ、信頼できる専門家に住まい全体を診てもらうことが何より大切です。

外壁や屋根をきれいに保つためではなく、「家族の暮らしを守るための点検・メンテナンス」と考えていただきたいと思います。

小さな不安を後回しにせず、まずは点検や相談の一歩を踏み出すこと。それが大切な住まいを長く健やかに保つ一番の近道です。

お問い合わせ・ご相談は株式会社SAMへ