壁紙リフォームで後悔しないために ~張替えと一緒に考える工事と予算の使い方~

1.壁紙リフォームを「張替えだけ」で終わらせて後悔したこと
近年では、窓やドアを壁を壊さずに交換できる「リフォーム専用部材」や新しい施工技術が増えてきました。
そのおかげで、費用や工期を抑えられ、お客様の負担が少なくなるリフォームも確かに広がっています。
しかし実際には、まだまだ壁や天井を壊さなければならない工事のほうが圧倒的に多いのが現状です。
たとえば、コンセントを一つ増やすだけでも、壁を一部壊して配線を天井や壁の内部に通す必要があります。
もしくは、配線を露出させてモールカバーで覆う仕上げになり、見た目がどうしても損なわれてしまいます。
また、壁を壊さずに行えるリフォーム専用部材にも限界があります。
ドアの交換をリフォーム専用部材で行うと、既存のドアより通路が狭くなってしまいます。
したがって現在が狭い通路幅のドアの場合はさらに狭くなってしまいます。
そういうお住まいでは、リフォームを専用部材は使わず、周囲の壁を壊して工事を進めることになります。
こうした理由から、リフォームやちょっとした部分的な修理であっても、壁紙の補修や張替えが必要になることは少なくありません。
壁紙の部分補修で済ませることも可能ですが、微妙な色目の違いや、見切りモールなどで粗を隠して、仕上がりが中途半端になり、美しさに欠けてしまうケースも多いのです。
結果として、「壁紙は2,3年前に張り替えたばっかりなので、そのままのつもりだったのに、結局一緒に張り替えることになった」という例は現場では珍しくありません。
つまり、壁紙リフォームは他の工事と切り離せないことが多く、「壁紙リフォームは以前やったので、壁紙は張替えしないで」と思っていたが、張り替えたばっかりの壁紙をまた張り替える羽目になったり、張替えを避けたので見た目がちょっと残念になってしまった…
ということがリフォーム現場では頻発しております。

2.壁紙リフォームで見落としがちな「暮らしのリスク」
壁紙の張替えは単独で考えがちですが、実際には他の工事と切り離せないことが多くあることは前述いたしました。
人気の水回りのリフォームでも同様なことがあります。
たとえば、お風呂のリフォームでは、弊社ではほとんど「壁紙張替え」や「床クッションフロアー張替え」といった付帯工事を計上いたします。
これは、お風呂の入り口のドア周りを解体するため、壁紙や床材の張替えを行わなければきれいな仕上がりにならず、100万円単位のリフォームが、張替えないと残念な仕上がりになるためにです。
見切り材で粗を隠す方法もありますが、過去のお客様の感想を聞くと満足度は低いので、弊社では、基本は壁紙と床材の張替えを推奨しております。
余談ですが、業者側としては、壁紙の工事が増えると、壁紙の職人を別途手配して、日数を調整して、工事期間が半日ぐらい増えて、わずかな売り上げアップしかなく、見切りなどで粗を隠す方が効率的なので、基本的に見切りで隠す方向で考えている業者も多いです。
しかし、こうした補修や見切り材で済ませる理由の多くは、「つい4,5年前に壁紙を張り替えたばかりだから」というものです。
つまり、将来的なリフォーム計画を考えていなかったがために、きれいな仕上がりを諦めざるを得なくなるということが多いのです。
このように、壁紙リフォームを単独で行うと、後々の別工事で「やっておけばよかった」と感じるリスクがあるのです。
見た目や快適さの満足度を高めるには、壁紙リフォームを単発の工事としてではなく、「他のリフォームと重なる部分」を意識して計画することが大切になります。

3.壁紙リフォームと一緒に検討すべき工事一覧
壁紙の張替えは単独でも行えますが、実際には他の工事と組み合わせることで効率性や満足度が大きく高まります。
壁を触るタイミングだからこそ、普段気になっていた不便をまとめて解消できる絶好の機会になります。
ここでは、壁紙リフォームと一緒に検討すると効果的な工事を整理してみましょう。
電気工事(コンセント・照明・LAN配線)
コンセントの増設や位置の移動、有線LANの配線、照明やスイッチの追加は、壁のリフォームと一緒に行うと、テレビなどの配線が露出されることなく、家具の配置を考えてコンセントを計画したかのようにきれいな仕上りになります。
延長コードやモールでごまかさず、配線を壁の中にすっきり収められるため、見た目も使い勝手も向上します。
ドア交換・開き方の変更
古くなったドアの交換や、引き戸への変更、開き方向の見直しは、暮らしの動線を改善する工事です。
古いお住まいの室内ドアの高さは1.8mで現在は2m、玄関ドアは2.0m→2.3mに規制サイズが変わりました。
ドア交換には壁紙交換がほとんどの場合付帯します。
また、壁紙を新しくしたのにドアが古いままだと違和感が残りやすいため、このタイミングで同時に行うと空間全体がまとまりやすくなります。

壁面収納や棚、カウンター、テレビの壁掛けなど
テレビの壁掛けや飾り棚、カウンター、リビングにちょっとした仕事や勉強スペースのカウンター、省スペースを利用したニッチ収納などはDIYでも可能の場合もあります。
しかし、壁の補強や仕上がりの綺麗さを求める場合は、壁紙を一緒にリフォームすると初めからついていたような美しい仕上がりになります。
単純に重たいものをぶら下げるひっかけをつけたいから壁を石膏ボードでなくネジがきっちり止まるように補強してほしいというのも壁紙張替えが必要です。
補強や壁のくり抜きなどが可能であれば、DIYでは想像できなかったものも取り付けが可能です。
なので、ここに飾り棚が欲しい!ルーターを置く小さな棚が欲しいなど、不便に感じていることやあったらいいを設計者に伝えてみましょう。
窓、ドア、窓枠やドア枠、カーテンレールまで
窓やドアの交換は前述のとおりカバー工法もありますが、取り換えしなければならない場合もあります。
窓枠に関してもカバー工法は意外とできない業者も多いので、取り換えを進められることがあります。
直射日光がよく当たるので色が変わってしまっている、雨でぬれてボロボロなどの理由で取り換えをご希望される方も多いのですが、これも壁紙の張替えを伴うことが多いです。
窓交換を検討中なら、劣化や古さが目立っている場合は、壁紙リフォームと合わせて補修や交換を行うと仕上がりに統一感が出ます。
また、大きく装飾的なカーテンレールをシンプルなものに替えるだけでも、部屋がすっきりとした印象になります。

ちょっとした間取りスペース変更
ちょっとしたリモートで仕事をするスペースの間仕切り、小さな間取り変更など壁を撤去、移動、新設などちょっとした間取り変更も必ず壁紙リフォームが伴います。
室内の隅角や、廊下のデットスペースに収納を作る、パソコンスペースの間仕切り壁、子供の学習のための備え付けカウンター設置と間仕切り、引き違いドアを片引きドアに替え、片方のドア部分を壁にするなど、お住まいの小さな不満、こうなったらいい!も一緒に検討しましょう。
冬寒い!夏エアコンの効きが悪い!~断熱材を入れる~
壁の中に断熱材を追加すれば、冷暖房効率が改善され、夏も冬も快適な空間になります。
2025年4月からようやく断熱性能が義務化されました。
古いお住まいほど断熱性が低い場合があるので、断熱性を高めるための断熱材封と壁に風が流れないようにするための気流止め工事を行う場合も壁の解体を伴いますので壁紙の張替えが必要です。
これらを行うことにより、快適さの向上とエアコンの効きが変わってくるので省エネにもなります。

耐震補強工事
話はだんだん大きくなってきますが、建築されてから25年以上経過するが、まだまだ住む予定。
2000年以前に建築された建物は耐震強度が現在の法的な基準よりも緩いときの建物です。
倒壊する危険がある可能性がありますので、壁紙リフォームをする前に、耐震診断を行い、ちょっとした補強で耐震等級1に達する場合もあります
しかし、壁紙をめくる必要があるので、いったん壁紙を全部屋張り替えてしまうとやる機会を失っている人も多いようです。
地震が多い日本では、耐震補強は将来の安心に直結する工事です。
壁紙リフォームと同時に行えば、同じ壁を二度壊す必要がなく、費用や工期を抑えられ効率的です。
そして、住宅の安全性を高めることができます。
4.自分の暮らしに合ったリフォームポイントを絞り込む
壁紙リフォームのみに予算をかけるとお住まいが明るくなり、快適なお住まいになったように思えます。
業者側から見ても一つの工種としてまとまるため作業は進めやすくありがたいのですが、本当に大切なのは「予算の使い方を将来の視点でどう考えるか」です。
壁紙張替えをきっかけに、暮らしや住まい全体を見直すチャンスにしていただけたらと思います。
優先順位を整理するためのチェックポイント
次のような視点で、やりたいことや必要なことを書き出してみましょう。
- 将来的に行いたいリフォーム(例:水回りや外壁の更新)
- 今すぐ修理したい箇所(例:傷んだ建具や床)
- 日常生活で不便に感じていること(例:コンセントの少なさ、ドアの開閉の不便さ)
- 現在問題がある部分(例:雨漏りや結露)
- ご自身では気づきにくい問題点(老朽化、シロアリ、耐震、断熱など)
5つ目については、専門業者による点検が欠かせません。
見えない部分に潜む不具合を把握しておくことで、将来必要となるメンテナンスも見えてきます。
予算の中でできることを選び出す
こうして整理すると、ご自身の「やりたいリフォーム」と「住まいにとって必要な改善点」の両方がはっきりします。
そのうえで、今回の予算の範囲で優先すべきものをピックアップしていくと、後悔の少ない計画につながります。
壁紙リフォームを単なる張替えにとどめず、予算の使い方を工夫することで、ご家族にとって本当に価値のある住まいの改善が実現できます。

壁紙リフォームを暮らし全体の改善につなげよう
壁紙リフォームは、部屋の雰囲気を一新できるだけでなく、暮らしの不便や将来の安心に目を向ける絶好のきっかけです。
電気まわり、ドアや窓、収納、さらには断熱や耐震といった見えない部分まで、このタイミングで一緒に検討すれば、見た目の美しさだけでなく、快適さや安心感も得られるだけでなく、予算の使用方法にも無駄が減少します。
実際に計画を立てるときは、日々の不便や将来的に直したいことをリストアップし、業者に相談して見積をしてもらい、予算をどのように使用するか検討しましょう。
ご自身では気づきにくい問題点も、点検を通して明らかになることがあります。
そうした洗い出しを踏まえて、予算の中で優先度の高い部分を選んでいくと、無理なく満足度の高いリフォーム計画につながります。
小さな工事の一歩が、暮らし全体をより良く変えるきっかけになります。
壁紙リフォームを「張替えだけ」と考えず、「住まいをトータルで見直すチャンス」として行動に移していただくことが、後悔のない住まいづくりにつながっていきます。
壁紙張替えのタイミングを上手に活かして、住まい全体をより快適で心地よい空間に育てていただければと思います。