リノベーションで予算を抑える!新築にないメリットを最大限に生かす方法
目次
リフォーム箇所の選択
床面積30坪のお住まいのリノベーション費用は1000万~2500万円と大きく幅が広がります。
費用の大きな違いは使用する材料、キッチンなどの機器はもちろんですが、それ以外にもたくさんあります。
予算を抑えるには、どこをリフォームするかを業者にお任せするのではなく、ご自身で選択していくと、ご家族に最も適したお金の使い方を選択することができると思います。
間取りが変わる、変わらない
間取りが変わると、単純に壁を壊して壁を作る費用も掛かります。
それ以外にも耐震上の補強が必要になり、壁の位置が変わるので、床や天井を下地からすべてやり直す必要も出てきます。
また、部屋の中央位置が変わるため、照明の位置が変わったりスイッチコンセントの位置も変える必要も出てきます。
したがって、間取りが変わらない方が予算を抑えられると言えます
階段を架け替える、架け替えない
階段の架け替えは最低50万前後はかかる場合が多い。
同じ場所で階段をかけ替えるのではなく、階段位置が変われば、前述の間取り変更の内容がすべて当てはまりますので、さらに費用が掛かってきます。
外壁や屋根は塗り替え、張り替えか
外壁や屋根は塗装メンテナンスで対応できるか、難しいかの見極めは業者に任すしかないのですが、これも重要な項目です。
張り替える場合は、張り替えが必要な根拠や、もし張り替えずに塗装メンテナンスなどで済ますと
次のメンテナンスはいつになり、その時の費用はいくらかかるかなど、情報を収集して判断することが大切です。
その他足場の必要な作業として、雨樋の取替、窓の取替、コーキングの内替え、外壁のひび割れ補修、などがあります。
足場をかけるなら、外部のメンテナンスは同時に行う方が長期的な出費は減るということも、考量する必要があります。
部屋内の床壁天井は仕上げ材のみの取り替えか、下地から張り替えか
床の場合、床をすべて解体して下地からやりなおすのか、現在のフローリングを下地材と見て、上から新しい材料を張るのかによって費用が変わってきます。
床が傾いているお住まいは、下地からやり直して水平にすることがベストです。
また、1階は湿気と乾燥を繰り返しており、地盤の状態が経年により部分的に沈下していることも多々あります。
したがって、1階は下地から張り替えて、断熱材も高断熱にすることが多いですが、2階はこの限りではない場合も多々あります。
外壁に面してる壁や夏熱くなりやすい2階の天井は、下地から替えることにより容易に高断熱仕様になりますので、壁紙の張り替え等の仕上げ材リフォームをするときは検討の余地があります。
配管や配線はどの範囲をとりかえるか
配管のメーカーの言う耐久性は約30年です。しかし、30年ですぐに水漏れするかと言えばそうでもありません。
交換しやすい床下の高さが適度にあるお住まいは、駄目になってから交換するという方法もあります。
また、床下の点検口を将来に備えて複数箇所造って置くのも一つの方法です。
しかし、水漏れは突然起こります。予算が許されるなら、宅内床下の配管は変える方が安心して生活できるかと思います。
お住まいにより金額は異なるので、見積もりてもらい検討をします。
電気の配線は、被覆が布の配線や鼠害、火災などのトラブルが無ければ交換はほとんどしません。
壁天井床板をめくって柱梁むき出しにする場合は、配線を替えるために壁天井の補修をする必要がないので、比較的安くできます。
見積もりしてもらって検討の材料にします。
窓サッシのリフォームの施工方法の違い
サッシのリフォーム工法の違いは2つあります。
- カバー工法→既存のサッシ枠の上から新しいサッシをカバーする工法
- はつり工法→壁を一部壊して既存のサッシ枠を取り除く方法
近年はサッシのリフォームはほとんどカバー工法になっておりますが、リノベーションをする場合は、はつり工法の方が費用が安くなる場合が多々あるので、比較検討します。
但し、頻繁に出入りするベランダや縁側の窓は、カバー工法の場合、足元に段差ができますので注意が必要です。
断熱や防犯防音のみの目的で有れば3つの選択があります。
- 既存のサッシの内側にもう一つサッシを付ける
- 2重サッシ工法
- ガラスのみを複層ガラスにするガラス交換
サッシの前の窓枠部分にもう1重サッシを付ける2重窓ですが、内壁や外壁をリフォームしない場合などは断熱防犯性向上するので、この工法が安価でお勧めです。
しかし、窓を開ける場合は2枚サッシを開けなければならなので手間は増えます。
実際リフォームの金額とは?
この部分はリフォームするかしないかという選択で金額が大きく異なりますので、各箇所を見て行きましょう。
1.お住まいを長持ちさせるための重要項目
放置すればお住まいの劣化が進む箇所
- 屋根リフォーム 150万~
- 外壁塗装 80万~
- 在来工法のお風呂 100万~
- 雨漏れ、水漏れの箇所 5000円~全体取替費用
①屋根
屋根からの雨漏れ、瓦の破損、その他が起こると、建物自体をいくらリフォームしたとしても建物自体が劣化していきますので、屋根の瓦のメンテナンスは必要になります。
②外壁塗装
外壁の塗装は約10年から15年経つとメンテナンスが必要ですし、外壁材の継ぎ目のコーキング等も、同時期くらいにメンテナンスが必要になります。
したがって、劣化状況によってメンテナンスは重要になります。
その他、外壁のひび割れや、一度雨漏りして外壁が膨れている等、外壁自体が悪くなっている事もありますので、点検により、外壁自体を部分的に改修する、もしくは全体を改修することが重要項目になります。
③在来工法のお風呂
在来工法のお風呂とは、ユニットバスに対して、タイル張りの昔ながらのお風呂です。
タイルのお風呂は構造上、水分が床下に常にある状態で、場合によっては木の柱や土台が水に晒された状態になっていることがあります。
そのため、タイル張りの在来工法からユニットバスにリフォームすると、10件中8~9件が木の部分が腐っております。
したがって、リノベーションするなら、まず在来工法のお風呂をユニットバスに変えて、床下に水がいかないようにするということが、非常に重要な項目になります。
④雨漏れ、水漏れ箇所の修理
屋根、壁、その他の部分から雨漏れがあれば、その箇所を修理しましょう。
そのままリフォームしたところで、壁紙やフローリングが汚くなったり、下地がボロボロになったりしていきますので、修理が必要になります。
同じように水漏れ箇所もです。
2.リノベーション時に行うと費用が減る
リノベーション時に中止して、数年後に新たにリフォームを行うと、無駄な費用が発生する箇所
- 壁、床、天井の断熱リフォーム 50万~(仕様、面積による)
- 窓や玄関ドア、勝手口ドア(大きさ、仕様による)
- 玄関ドア 50万~
- 窓 5万~
- 床下の湿気対策工事(お住いの状況による)
- 防湿シート張り 5万~
- 防湿コンクリート設置 30万~
- 床下調質材敷き 10万~
- 床下換気扇設置など 5万~
- 間取りの変更
- 耐震補強 50万~
- コンセント増設 1箇所5千円~
- お住まい全体の分電盤(ブレーカー、ヒューズ)の増量 4万円~
- 住宅内の配線の交換 30万~
- 住宅内の配管の交換 5万~
各項目について説明します。
①壁、床、天井の断熱リフォーム
リノベーション時に壁や天井の壁紙を張り替えたり、フローリングを張り替えたりすると思います。
数年後に壁、床、天井の断熱リフォームを行えば、また同じようにフローリングを張り替えたり、壁紙を張り替えたりしないといけないですが、同時に行えば、その費用が浮いてくるということになります。
断熱リフォームの重要性は別のブログにも記載しておりますが、光熱費が大きく変わります。
低断熱のお住いから高断熱のお住いにリフォームすると、エアコンの温度でいうと、冬場3度以上下げることも可能になってきます。
言い換えれば、毎月の光熱費が減る分の貯金ができますので、非常に対費用効果の大きいリフォーム部分だといえます。
②窓や玄関ドア、勝手口ドアの交換
ここは後からできる工事ですが、同時にやらなければ、構造により壁や床を壊す必要がある場合もありますので、これも最初のリフォーム時に業者に確認していただければと思います。
先ほどの断熱リフォームと合わせてですが、リノベーションされるお住まいというのは、ほとんどが1枚ガラスのアルミサッシの状態だと思います。
これでは断熱効果が低いので、今の新築のドアや窓にアルミサッシは使用していません。
断熱性の高い窓やドアに変えると、先程の断熱リフォームの様に光熱費が非常に安く済み、その分毎月貯金ができますので、これも対費用効果の大きいリフォームになり、尚かつ補助金がでます。
補助金についても別のブログ記事にあげておりますので、確認してみてください。
リフォーム補助金が最大200万円!?実際どのくらいお得になる?6つの具体例
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2024年版 住宅リフォームで補助金がもらえる!
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③床下の湿気対策工事
床下が非常に湿気るというお住まいがあります。
その際に、床下の湿気対策というものを行うのですが、床を張った状態ですと、出来ることが限られてきます。
しかし、床全体を同時にリフォームするとなれば、いろいろな湿気対策を講じることができます。
したがいまして、リノベーション時に床のリフォームを行うのであれば、床湿気対策工事は非常に安くできますので、同時にやるべきです。
床下の湿気がたいして多くなければ、そこまでする必要はありませんが、一度点検の上で確認できれば良いかと思います。
④間取りの変更
間取り変更は、今の壁を取って別の場所に壁を付けるとなると補強が必要であったり、床や壁の補修が必要になってきます。
ですので、他のリフォーム工事と同時に行えば費用は抑えられます。
後から間取り変更を行うと非常に費用が掛かりますので、最初からしっかりとしたリフォーム計画が必要です。
⑤耐震補強工事
耐震補強工事というのは、壁を補強したり、基礎を補強したりする工事です。
先ほどの間取り変更とよく似た形になります。壁をめくって中に筋交いを入れたり耐震壁にしたり、耐震金物をつけたり、あるいは基礎を補強したりします。
基礎補強については、後から補強すると外部に補強する形となりますので、美粧的に見た目が悪くなったり、邪魔な補強基礎が出てきたりします。
したがいまして、同時に行う方がいいですし、耐震補強には補助金がありますので、是非お勧めします。
⑥コンセントの増設
コンセントの増設は、後からできる場所、できない場所があります。
これも全体改装の時に行えば非常に安く済むので、間取りの計画にプラスして、どこに家具を置いてどういう生活導線を行うかを同時に考え、コンセントの位置や増設ができればと思います。
コンセント設置に迷った場合は、一応つけておくと便利で良いと思います。
⑦住まい全体の分電盤
分電盤(ブレーカー、ヒューズ)の増設も先程のコンセント増設と同じような事ですが、配線を壁の中を通しますので、これも同時に行えば良いかと思います。
⑧住宅内の配線の交換
とても古い配線でなければ交換する必要はないのですが、築40年以上あるいは築50年経過している建物、いわゆる古民家ですと、むき出しの配線というものが実際にあります。
また、ねずみにかじられて配線がむき出しになっている場合もありますので、全体リフォームの時に行えば良いかと思います。
⑨住宅内の配管工事
これは絶対におすすめです。
リノベーションする時に大体の方が水回りは変えると思います。
水回りの設備機器だけではなく、床下にある配管をすべて交換することというのは、同時に行うならばそんなに大きな費用は掛かりません。
したがって、全体の宅内配管の交換工事も同時に行う方が良いかと思います。
3.その他の費用
①仕上げ費用
- 壁紙 50万~
- フローリング 60万~
仕上げ費用とは、部屋の一番表面に現れてくる壁紙やフローリングなどです。
メンテナンスが表面の部分だけなので後からできる工事ですが、全体的に見てリフォームをした感じが出て美しく見えるのは仕上げの部分です。
したがいまして、大きく重要ではないのですが、予算組は必ず必要な部分です。
②水回りの設備機器
- キッチン 60万~
- お風呂 60万~
- トイレ 15万~
- 給湯設備 8万~
- 洗面化粧台 6万~
キッチン、お風呂、トイレなどの設備機器の選定は、10年20年30年と長く使うので、重要な部分になるかと思います。
③住宅外の配管の交換
- 住宅外の配管の交換 50万~
外構工事(お庭まわりの工事)と同時にやるのが効率的です。
後からでもできる工事ですが、住宅の排水管や給水管の寿命は、配管メーカーが言うには30年となっています。
ただ、30年ですぐ駄目になるわけではないので、予算に余裕があれば、外回りの住宅の配管も交換を行いましょう。
実価格は、現在の建物状況により異なる!現地調査及び見積依頼が必要!
他にもプラスして、解体費用、養生費用、清掃費用、産業廃棄物処分費用、既存住宅アスベスト含有建材調査費用、設計費用、デザイン費用、現場管理費用、申請費用などが必要です。
仮住まいが必要なら仮住まい費用、引っ越し費用も必要です。
お住まいの建築からの年数やダメージの状況などにより各部異なります。
これらの項目を分けて見積もりしてもらえるように依頼してみましょう。