もう一部屋ほしい!快適で使いやすい空間作りのためのアイデア~子ども部屋、仕事部屋、趣味部屋作りの工夫~

今の家の中に「もう一部屋あったらいいのに」と感じて、このページにたどり着いたと思います。
子どもの成長に合わせた個室の確保や、自宅でのリモートワーク、趣味に没頭できる空間など、現代のライフスタイルでは「もう一部屋」のニーズが高まっています。
とはいえ、新しく家を建てたり引っ越すのは大変です。
実は、大きな増築をしなくても工夫次第で「もう一部屋」を作ることが可能です。
そこで今回は、今ある住まいを上手に活用して、もう一部屋を生み出す工夫とアイデアをご紹介します。
部屋を増やす具体的な方法とは?
部屋を増やす方法は大きく分けて4つあります。
- 間仕切りで部屋を分ける
- 未使用空間を活用する
- 間取り変更をする
- 増築する
費用を抑えたいなら「間仕切り」や「未使用空間の活用」から検討します。
「間取り変更」や「増築」はしっかりと予算を確保し、必要に応じて建築確認申請などの法的手続きも必要になる場合があります。
また、子どもの成長や、加齢と共に、生活スタイルの変更など将来的に用途が変わる部屋は、リフォームしやすい設計にしておくことも大切です。
それでは、部屋を増やす具体的な方法を6つご紹介します。
1. 間仕切り部材を使って「空間を区切る」

リビングや和室、寝室などの広めの空間を間仕切り部材で区切ることで、簡易的な半個室をつくる方法です。
壁を増やす大がかりな工事は不要で、柔軟性のある空間づくりができるのが魅力です。
- LDKなどの広いスペースにパーテーションを使って、ワークスペースコーナーにする
- 天井まで届く収納棚を仕切り代わりにして、視線を遮る
- ロールスクリーンやカーテンで区切り、子どもの勉強コーナーとして活用
壁を作らずとも、間仕切り家具や収納をうまく活用することで、半個室化を実現することができます。
この方法は、予算を抑えつつもプライベート空間を作りたい場合に最適です。
本棚やクローゼット、パーテーションを上手に使うことで、壁を作らずとも視線を遮り、集中できる空間を確保することができます。

また、スライディングウォール(可動式の間仕切り壁)を使えば、リビングの一角が簡易個室に早変わりします。
照明やカーテンを活用すれば、さらに視覚的に空間を分けることができ、リビングや寝室、趣味部屋などを分けることが可能です。
子どもが小さいうちは家族と共有、成長したらプライベート空間として使う、といったように、ライフステージに応じた使い方ができます。
このように、「完全な壁」をつくらずに空間を区切ることで、将来の変更にも対応しやすく、コストも抑えられます。
2. 固定の間仕切りで完全個室化
リビングの畳コーナーや、大きな寝室などに固定の間仕切り壁を造って、完全に部屋を分けてしまします。
「1」の間仕切り部材よりも、音、明かり、視線を遮ることが出来るので、プライバシーの確保ができます。
LDKに上吊り引戸を設置し個室化

壁で完全に仕切るのではなく、上吊り引戸でLDKの一角を必要なときだけ仕切れる、柔軟な個室とする例です。
天井から吊るすタイプの引戸なので、床に段差ができず、すっきりとした仕上がりになります。
引戸を開ければ広々リビング、閉めれば仕事部屋や趣味の空間、ゲストルームとして活用可能です。
ライフスタイルの変化に合わせて、空間を「仕切る」も「つなげる」も自由自在です。
昼間の明るさ、風の通りを予測し、窓、換気、エアコン、照明と、間仕切り位置と、どこから明かりを取るか、空調はどうするのかなど、計画が必要です。
しきり窓で採光も確保する間仕切り例

「LDKの一部を仕切って個室にしたいけれど、暗くなってしまうのが心配。」
そんなお悩みを解決するのが、採光を意識した仕切り窓+ドアの設置です。
写真では、ダイニングとリビングの間に、仕切り窓と引戸を設けて、光をしっかり取り込みつつ、空間を分ける工夫がされています。
半透明の窓を使うことで、視線は遮りながらも、自然光はたっぷり通るのがポイント。
突き出し窓を設置することにより、通風や換気もできます。
完全な壁ではなく、光や空気感を共有できる仕切りは、開放感を保ちつつプライベート空間を確保したい方におすすめです。
将来的に元に戻したい場合は、業者にきっちりと伝えて工事を行ってもらいましょう。
3. クローゼットや押入れを「秘密基地化」
あまり使っていない押入れやクローゼット、ウォークインクローゼットがあるなら、そこをもう一部屋として活用するのもおすすめです。
わずかな改装で、思いがけないミニ空間が生まれます。
- 小さなデスクと照明を入れて、落ち着ける在宅ワークスペースに
- 壁面に棚を設けて、読書コーナーや本好きの隠れ家として
- 文具や材料を揃えて、ハンドメイド・絵画などの趣味部屋に
ドアを閉めれば生活感を隠せるのも大きなメリットで、急な来客時も、すっきり片付きます。
子どもにとっては、自分だけの秘密基地としてワクワクできる特別な場所になります。
大人にとっては、「誰にも邪魔されないこもれる空間」としても活用できます。
小さなスペースでも、ちょっとした工夫とアイデア次第で暮らしがぐっと快適になります。
不要な収納物を断捨離して、思い切って収納スペースの用途を変えるリフォームを検討してみてください。

4. デッドスペースを再活用
普段使われていない場所、例えば階段下や廊下の端+収納スペースなどの小さな空間、吹き抜けや階段上の2階部分などの3D未使用空間など、見方を変えれば未使用空間が見つかるかもしれません。
こちらを活用することで、小さな部屋を作ることができます。
例えば、階段下の空間を書斎として活用したり、吹き抜け2階部分+2階廊下を子ども部屋として使うことができます。
図面や現地確認で、あなたのお住まいの可能性を、建築士なら発見できるかもしれません。



リフォーム後のロフト図面
5. ロフトやスキップフロアで「空間を上下に活用」
天井が高めのお住まいなら、床面積を広げなくても「空間を縦に分ける」ことで、もう一部屋を生み出すことが可能です。
ロフトやスキップフロア(中2階)は、限られたスペースを立体的に活用できるアイデアとして人気があります。
- ロフトを子どもの寝室や「秘密基地風」のスペースに
- スキップフロアの下を、在宅ワーク用のデスクスペースに
- 梯子で上がる屋根裏部屋を、読書や趣味の小部屋に
ロフトやスキップフロア、屋根裏部屋は、ちょっとした小規模リフォームで導入可能な場合もあり、コストを抑えつつ機能的な空間づくりが実現できます。
また、こうしたスペースは収納エリアとしての活用もできるため、「子ども部屋+収納」や「書斎+本棚」といった一石二鳥の空間設計も叶います。
屋根裏をロフトとして活用する場合、市町村により法規制が異なる場合があるので注意が必要です。

6. 思い切って「間取り変更のリフォーム」
家族構成の変化に合わせて、思い切って間取りの変更を検討するのも一案です。
- 使っていない和室を壁で仕切って子ども部屋にする
- 廊下をつぶして趣味の部屋に拡張
- 縁側の和室2部屋をLDKに。元の小さなキッチンは子ども部屋に


旧キッチンを子ども部屋にリフォームした様子


プロのリフォーム会社と相談しながら、生活に合わせた最適な空間づくりが可能です。
間取り変更をする場合、壁は地震時に大切な部分の場合もあるので、耐震設計ができる業者に相談しましょう。
今ある空間に「もう一部屋」を生み出す発想を
自宅で部屋を作る際、低価格で手軽にできる方法から、間取り変更や増築といった大規模な工事まで、さまざまな選択肢があります。
新しい部屋をつくるために必要なのは、広い家ではなく「発想と工夫」です。
部屋を分ける工夫をすることで、子ども部屋、仕事部屋、趣味部屋など、それぞれのニーズに合った空間を作ることが可能です。
多機能家具の導入、収納の活用、集中できるレイアウトなど、細かい点に気を配ることで、より充実した生活を送ることができるでしょう。
まずは必要な大きさと、もう一部屋つくれる場所を探し出すことが要になります。
自分で見つけられないなら、建築業者に相談して、未使用空間を見つけてもらいましょう。
ぜひ、自分のライフスタイルに合った、快適な部屋作りを楽しんでください!
